こんにちはakioです。
今回は角パイプTの字溶接の歪み取りをします。
先ず、これも方向と順番を考えて溶接します。単純に右→左へとぐるりと一周する方向でも倒れは大丈夫なのですが、突き合わせ溶接と隅肉溶接の2種類の溶接をするので溶接電流が変わります。なので上下面突き合わせをやったら電流を変えて、隅肉左右やる様にしています。
このやり方でも、それ程角パイプの倒れは変化無くできますが、多少よじれが出ていると思います。気にならない程度ですし、後で全体的によじれ等は直します。
もう少しシビアに見たい場合には各面の溶接を右→左では無く左右両側から中心に向かっておこないます。
↑の写真の様に左右から中心に向かって溶接します。こうすると熱の溜まりが全部の面で中心にいくので、どちらかに傾く事もありません。
ただし、クレーターが中心に出来るのでビートの見栄えは少し悪くなります。
今まで長々と説明してきましたが、これらの事で歪みが無くなる訳ではありません。それどころか大きく歪んでしまっています。
わかりずらいですが↑の写真の様に反ってしまいます。
逆側に反らせておいて溶接する逆反りと言う方法もあるのですが数が多いと段取りが面倒なので私はやりません。
なのでどの様な方法で直すかとゆうと、汎用の油圧プレスブレーキを使います。
だいぶボロいですが35tの力があります。
馬をかまして溶接した反対側から押してやります。すると簡単に直ります。ただし押しすぎて曲がり過ぎてしまうと、とんでもなく直すのが大変なので慎重に押します。
又プレスで直せる高さには制限があり弊社のプレスだと800mm位までです。
それ以上の長さの物は↑甚九郎で直します。本来はレールを曲げるのに使用する道具です。
甚九郎さんが考えたから、この名前なのかと思いきや英語の当て字らしいです。私は甚九郎さん又は甚九郎門と呼んでいます。
流石にレールを曲げる道具なので角パイプ位なら簡単に曲がります。だだし、それなりに力はいるので数が多いと筋肉痛になります。これ以外にも丸パイプやアングルにも使えます。
↑こんな感じに直りました。
角パイプの反りが直ったら今度は直角を見ていきます。この時に先ほど溶接の向きを気にしていた事が役に立ちます。
仮付けの時点でしっかり90度をだして、方向や順番を気にして溶接していれば反りを直した時点で直角も直っています。
微調整が必要な物も何台かはありますがプラスティックハンマーで簡単に直ります。これでこの工程は終了です。
中々先に進みませんが自分の作業の記録用でもあるので御了承下さい。
では又次回。