【箱物の製作】⑥

こんにちはakioです。

 

又前回の続きやっていきます。

立ち上がりの縁を平らに仕上げたら、今度はバリを取っていきます。私の場合はベビーサンダーに240番のペーパーディスクを取り付けバリを取っていきます。

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バリを取るだけの目的の場合は2回〜3回程度かければ大丈夫だと思います。これがC面やR面になると、砥石から始めたり、荒いペーパーディスクを使ったりとかける回数も変わってきます。

ビーサンダーをかける時、最初はなるべく角度をつけてベビーサンダーの回転と同じ方向に進める様にします。すなわち左から右に動かしていきます。

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今回の製品の場合は手に引っかからない程度にバリを取るのが目的なので軽く当てるようにします。2回目は少し角度を浅くして1回目と同じ方向に進めます。

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そして最後に角度を浅く、ベビーサンダーの回転とは逆方向の右から左に動かします。

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これで殆どバリは取れていると思いますが、それでもベビーサンダーをかけた返しのバリが少し出るので最後にペーパーヤスリを軽くかけて終了です。ただペーパーをかける時は平面の部分にかからないように注意が必要です。

この後、表面を仕上げて、各部馴染ませていきますが、又次回投稿します。

 

 

私が仕事を始めた頃は手で触って少しでも引っかかる様なバリは取るのは当たり前だったのですが、今は違う様で切りっぱなしの製品を良く見かけます。この辺の事については、私にも意見がありますが機会があったらお話ししたいと思います。

 

それではありがとうございました。

 

 

 

 

【箱物の製作】⑤

こんにちはakioです。

 

前回の投稿からだいぶ日が経ってしまいましたが、続きをやっていきます。側面のヘアラインの仕上げがおおまかに終わったら曲げの上部を仕上げていきます。

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②で投稿した様に縁の角の部分は溶けてダレてしまうの防ぐために溶棒を入れて軽く盛り上げて溶接してあります。先ず、この部分をベビーサンダーに砥石を付けて平らに削っていきます。

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その時に良く縁に段差ができている事があります。段差は曲げの内側に入る側が少し低くなる事が多いです。なので私の場合は外注さんに必ず長手の辺が中に入る様に曲げてもらっています。

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段差をなくすために高い方を削ります。長手を中に入れて曲げると当然ですが短手が高くなります。その結果、段差を無くすための削る長さが短くなります。正方形など辺がどちらも長い場合は馴染む様に少しずつ、削る高さを減らして斜めに削ります。

それ以外にも長手を中に入れた方が楽な事はあります。先ず溶接。長さにもよりますが製品を立て下向きに溶接できます。これが短手が中にはいる切り欠きだと横向きか登りで溶接する感じになります。又仕上げも同じで下向きに出来て縦向きや横向きに比べると楽にできますし、仕上がりも綺麗に出来易いです。

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その後、私の場合は砥石だけだと結構ガタガタなので角を中心に板ヤスリをかせて平らにします。次に80番程度のペーパーディスクをかけてさらに滑らかにします。

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この後に角の面を取ってバリがなくなる様にして表面を仕上げて行くのですが、又次回に投稿します。ありがとうございました。

【箱物の製作】④

こんにちはakioです。

 

今回はサンドペーパーで仕上げていきます。最初は80番程度のペーパーをあて木にあてながらかけていきます。あて木があると思っているよりも削れます。当木はフラットバーを適当な長さに切断して使用しています。

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さらにフラットバーをR状に加工した物を使用すると狭い範囲を集中して削れます。なので平らな板面の仕上げに重宝します。

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又板ヤスリもこの形があります。

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このヤスリも平面の仕上げで活躍します。特に仕上げ面側のスポット溶接の跡や裏側を溶接した際に表面に浮き出る歪みを消すのに使用します。機会があったら投稿したいです。

ペーパーをヘアラインの目に沿ってかけていきます。前の工程で深く傷を付けていなければ、簡単にベビーサンダーの傷は消えます。但し平らでないとあて木をしているので低い部分は削れません。なので平ヤスリで平らに整えているのですが、それでも当たらない部分がでる場合はあて木をせずにかければ誤魔化せます。

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ここまで終わったら、とりあえずマスキングテープか何かを貼っておきます。

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次に縦目の方を仕上げていきます。工程は横目と同じですが仕上げ方向が縦になるので少し面倒です。先ずはベビーサンダーてに240番のペーパーディスクを取り付け削っていきます。f:id:akio8940:20240128184418j:image

短て方向を削らなければならないので、気を付けないと角を削りすぎてしまいます。前にも書きましたが、溶接ビートを縦目の方に出してしまうと砥石ディスクで削らねばならず削りすぎたり角を落としてしまう可能性が高くなります。又240番のペーパーディスクだと目が細かいので多少横目に削ってもヤスリですぐに修正できます。

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板ヤスリで目を整えたらペーパーヤスリの80番で仕上げます。この時は真っ直ぐな板を当てた方がやり易いです。

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それとRの部分もこの時に仕上げています。使う道具は一緒で工程も同じです。

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この部分の仕上げがおおまかに終わったら、とりあえずマスキングテープを貼っておきます。

この後裏面と表面を仕上げて最後に全体的に見ていきますが今回はここまでにします。

ありがとうございました。

【箱物の製作】③

こんにちはakioです。

 

今回は横目方向を仕上げて行きます。

TIG溶接をした時に溶棒を少し入れていますが表側に出過ぎている場合はベビーサンダーに砥石を取り付けて溶接ビート以外を削らない様に気を付けながら砥石を水平にして軽く削ます。

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ビーサンダーをかける時にはヘアラインの目と同じ方向で削っていきます。砥石の跡は思っている以上に深いのでヘアラインの目に逆らって削ってしまうと中々消えません。出来る事なら溶接ビート以外は削らない様にしたいです。

又前回の投稿でお話ししましたが溶接ビートを盛り上げるのはヘアラインの横目側にするのはベビーサンダーがかけ易い様にです。

次にペーパーディスクで慣らします。

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番手は好みでしょうが私は最近240番を使用しています。少し前までは80番から120番位を使用していましたが、240番でも充分削れるし何よりも目が細かいので、削りすぎてもすぐにヘアラインを比較的簡単に修正できます。

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私の場合は次の工程で少しヤスリをあてます。私が下手なのでしょうがベビーサンダーで削ると一見平らに見えても実は凸凹している事が多いです。なので先ずヤスリで平らにします。

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その時のヤスリは単目の物を使っています。ヤスリの目には色々な種類がありますが私が金属の平面部分を削るのは単目と複目のどちらかが多いです。仕上げ面にヤスリを掛ける時は単目の方が仕上げが綺麗です。

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他にも色々な目の形や細かさ、サイズがありますが紹介していくと長くなるので又どこかの機会で。因みに写真のヤスリはサイズ200mmの細目の単目と複目です。

単目ヤスリだと深く削れず傷ができにくいですが目が詰まり易くヤスリと母材の間に切子が入ってしまい深い傷ができる事があるので、まめにヤスリにブラシをかけて掃除した方が良いと思います。

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平らになったらペーパーヤスリで仕上げて行きます。それは次回投稿します。

ありがとうございました。

 

【箱物の製作】②

こんにちはakioです。

 

私が良く製作する物ではサウナの防熱板が多くて1番簡単です。四方を曲げて角を軽く溶接します。

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簡単ですが基本お客さんに見られる所に設置されるので仕上げは丁寧にします。

最初にヘアラインに傷が付かないように保護している白い養生用ビニールを溶接する場所だけ切り取ります。溶接の熱で養生用ビニールが溶けてしまうので、溶けない程度の幅でカットします。大きくカットし過ぎると傷が付きやすくなってしまうので避けます。仕上げの時に大きく再度カットします。

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又この白い養生ビニールにはヘアラインの目の方向が矢印で書いてあります。

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後、気を付けなければならないのはアースです。TIG溶接をする時には必ず母材に電流が流れる様にしなければなりませんがビニールが貼ってあるので流れにくいです。うっかりそのまま溶接してしまうと最悪の場合スパークして母材が溶けてしまいます。そうなると厄介で仕上げ直すのにかなりの時間がかかります。なので私の場合はうっかりがない様に溶接する時はどんな品物でも下に何かの板を履いています。

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そしてアースはなるべく見えなくなる所で取り直す様にしています。今の所、耐熱ボードを使用していますが、それでも焦げてしまうので、色々模索中です。

ターンテーブルも良く使用します。これを使うと簡単に回転させる事が出来るので色々便利です。

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この後、角をTIGで溶接します。

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縁の部分は溶棒を入れながら弱い電流で溶接して、少し盛り上げておきます。盛り上がる方向は縁とヘアラインの目の横手側が、仕上げで楽です。

曲げの部分は本来なら溶接は不要なのですが今回の曲げは、曲げ易い様に逃げの切り欠きが入っているのでその部分が仕上げきれない場合に備えて溶接で埋めておきます。

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この後、仕上げて行きますが又次回投稿します。

それでは、ありがとうございました。

【箱物の製作】①

こんにちはakioです。

 

久しぶりの投稿です。最近仕事が忙しいんですよねぇ。

前回でアングル架台の製作が終了したので新しいテーマです。

今回は箱物を作っていきます。と言っても私の会社は曲げなどはやらないので外注でお願いして曲がってきた物を組み立てて溶接、仕上げします。

大昔、初めて就職したのが精密板金業だったので曲げなどもやってました。機械式のベンダーで大きな歯車が回っていました。そして、まだバックゲージなどが無く、自分で寸法を出して当たりを取り付けて曲げてました。懐かしいです。

その後NCのベンダーなどが導入され自動でバックゲージが動いてくれるので楽になりました。精度的にはそれ程変わりませんが、段取りの時間が大幅に短くなりました。でも感覚みたいな物の重要性が薄れてしまった気がします。手で触ってちょっと大きいみたいな感じが大事でした。

それに機械式だったのが油圧式になったのですが、曲げる時の感じが違うので慣れるまで違和感がありました。

その会社の社長は道具が好きで、自宅が2階にある小さな町工場だったのですが、どんどん新しい機械が導入されましたね。NCのベンダー、シャーリング、タレパンと替えていきました。又ケトバシとか手動ベンダーとかの古い道具もしっかり使っていました。それに旋盤やフライスもあったので会社内は機械だらけでした。色々な道具を使わせてもらって、とても良い勉強になったと思います。

 

話が脱線してしまい、なんか昔話しになってしまいました。次回から製作の工程を投稿していきます。

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こんな物も製作します。

それではありがとうございました。

【アングル架台の製作】仕上げ

こんにちはakioです。

 

溶接が終わったら歪みを取っていきます。

やり方は枠を作った時と同じで、表面を溶接後に裏側も溶棒を使って少しだけ盛り気味に溶接します。そしてその部分を叩いて伸ばして対角と反りを直します。

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これを全ての角で行い対角や反りを直したら仕上げていきます。

ディスクグラインダに砥石、ペーパーディスクと取り付けて仕上げます。これは枠を作った時と全く同じです。そしてここから少し違います。先ず外側の角に全てC面を取ります。枠の時に取らなかったのはC面を通しで取りたかったからです。

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この部分の線が一本通っていると見栄えが全然違います。それと角の溶接が溶けすぎてダレでしまったり平面の繋ぎ部分が段になってしまったりしていると見栄えは悪くなってしまうので気を付けておきたいです。

仕上げが終わったら完成です。弊社ではこの後通常は酸洗いします。酸洗いとは強酸の液体の中に製品をどぶ漬けして、製品の表面を綺麗にする事です。酸洗いすると表面が全体的に梨地の様になり光沢がなくなります。しかしペーパーディスクなどで磨いた所は少し光ってしまいます。

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その辺をもう少し目立たない様に綺麗にしたい場合はその部分に少しブラストをあてます。ブラストとはショットブラストの事で私が使用するのはサンドブラストというものです。これは砂状の研磨材を高圧のエアで吹き付けて製品を研磨するやり方です。


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ブラストをあてると曇るので目立たなくなります。でもやり過ぎると色が変わってしまうので加減にコツがあります。又オービットサンダーでバイブレーション目にしても良いと思います。

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酸洗いすると溶接した所と他の所では少し色が変わってしまいます。おそらく溶接によって材質が熱の影響を受けてしまうからでしょう。

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これが気になる場合は後処理するか、酸洗いせずに全体にブラストするかなどします。

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これでアングル架台は完成です。

それでは次回よろしくお願いいたします。