溶接と歪み取り

 

こんにちはakioです。

 

前回少しお話ししましたが、溶接をすると必ず熱の影響を受けて歪みます。

その為それを修正するのは溶接とは切り離せない物なっています。方法は本当に沢山ありますし溶接する箇所によって変わります。

 

今回は私が角パイプを製作する場合に良く用いる方法を紹介します。

 

あらかじめ歪む分を計算に入れて仮付けをしておく方法です。

ステンレスは鉄などに比べ熱の影響が大きく歪みも大きいです。そして溶接は終わりの方に熱がたまります。その為、歪みも終わり側に縮みます。即ち90度の角パイプを外から中に向けて溶接すると縮んで90度以下になります。

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その縮む分あらかじめ広くしておけば溶接後は90度になるはず。又その逆も出来ます。しかし

実際は溶接する面は全部で4面あるので、そんなに単純ではありません。特に角パイプ内側の隅肉溶接をすると他の面より大きく歪んで、かなり内側に入ってしまいます。

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なので上下の面は内側から外へと溶接します。そうすると少し角度が戻ってきます。それ以外にもパイプの切り口の隙間や溶接スピード、溶接電流の強さなど歪みに関わる物は沢山あります。これらの事を全て加味して仮付け角度を出します。

なので私の腕では10本中3本位が修正無しでいけますが他は修正しなければなりません。と言ってもいい所までは直っているので軽くプラスチックハンマーで叩けばすぐに直ります。

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角度を見る器具はデジタルのものを使っていま

。これだとかなり正確な角度がわかるので便利です。

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本当はこれと同時にバタつきも気にして、なるべくバタつかない様に方向を気にして溶接しなければならないのですが、タダでさえ上手く説明できて無いのに、さらに複雑にはできませんでした。

 

又、Tの字溶接の歪み取りは違うやり方ですが、次回投稿します。